コーマック・ベグリー東京公演

昨日(11月15日)のAn Solasでのライブレポートです。

紆余曲折(?)を経て開催されたライブでしたが、無事に終了することができました。

私自身は直前までアイルランドに行っていて、演奏の準備もままならず結局競演したフィドルのマイキーとはライブ前日に、コンサーティーナのコーマック・ベグリーとは当日になって初めて一緒にリハーサルをするという超突貫工事(?)で臨みましたがとりあえず無事に演奏できてほっとしました。

ライブ前にコンサーティーナのワークショップがあり通訳を担当。

奇しくも去年も同じ時期にイデル・フォックスのワークショップの通訳を担当していて、この楽器とはなぜか縁があるのですが私自身はコンサーティーナを弾いた経験はありません。。

コンサーティーナ・ワークショップ
ワークショップは前半ビギナー、後半上級者の2回に分けて実施。前後半合わせて10名以上の参加者が集まりました。
ABC譜を書くコーマック
ワークショップで教える曲を譜面に書くコーマック。譜面はもちろん(?)アイルランド音楽ではお馴染みの「ABC譜」です。

コーマックのワークショップはテクニカルな部分よりも音楽の内面を突いたところが多く私の英語力ではどう訳していいのか分からず、通訳としての仕事はほとんど果たせませんでした。。

ワークショップに参加された皆様、拙い通訳でスマセンでした。。

音楽の内面を突いた話はとても興味深いもので、楽器は違いますが、私にとってもとてもためになるワークショップでした。

ワークショップ終了後に一緒にライブで弾く曲を選んでそれぞれのセット(2セット)を1回ずつ練習して会場に向かいました。

ちなみにコーマックと顔を合わせるのも、一緒に弾くのも今回が初めてでした。

An Solas
ライブ会場となった代々木のアイリッシュパブ「An Solas」。ちなみに目の前の写っているのが今回のライブのもう一人の共演者のマイキー・オシェイ。

ライブはまず私とコーク州出身で現在東京在住のフィドル奏者マイキー・オシェイが前座で演奏。

マイキーはコークとケリーのボーダーにまたがる「シュリーヴ・ルークラ(Sliabh Luachra)」という地域の出身とあってリアルに「シュリーヴ・ルークラ」のスタイルで演奏するフィドル奏者です。

彼とはこれまでに何回か顔を合わせたことがありましたが、一緒に演奏するのは今回が初めてでライブの前日に初めに音合わせをして演奏する曲を決めました。

お客さんでいっぱいのAn Solas。予定よりも予約が多かったので急遽2部に分けることとなりました。
お客さんでいっぱいのAn Solas。予定よりも予約が多かったので急遽2部に分けることとなりました。

私は基本的にクレア系(?)の奏者なので、シュリーヴルークラの曲(アイルランドの音楽は地域によって弾き方や弾いている曲が異なるのです)はほとんど弾くことがないのですが、せっかくマイキーの演奏をいろいろな方に聞いてもらうチャンスと思いなるべくシュリーヴルークラの演奏家のレパートリーから曲を選ぶことにしました。

以下がライブで弾いた曲です。

・The Morning Star - Rolling in the Ryegrass (Reels)

前半、後半のステージの冒頭で弾いたセットです。

シュリーヴルークラの大御所デニス・マーフィーとジュリア・クリフォードによる「The Star Above The Garter」からのチョイスです。

・Dan O'Keeffe's Slides (Slides)

前半のステージで弾いたセット。

同じく「The Star Above The Garter」からのチョイス。

Seanbhean na gCarta - Tom Billy's (Reels)

前半のステージで弾いたセット。

これも同じく「The Star Above The Garter」からのチョイス。

・The Kerry Hills (slow air) - The Humours of Castlefin - The Glen of Aherlow - The Killarney Boys of Pleasure - Sweeney's Buttermilk (Reels)

前半、後半のステージで弾いたセット。

最初のエアはコーマックのお父さんのブレンダン・ベグリーのCDに入っていた歌が元になっています。

エアに続いて弾いたリールは東クレアのセッションではお約束になっているセットです。

「The Kerry Hills」が収録されているブレンダン・ベグリーのCD。
「The Kerry Hills」が収録されているブレンダン・ベグリーのCD。

Glenbeigh - The Chafpool Post (Barndances)

前半、後半ステージで弾いたセット。

これはマイキーのチョイス。

1曲目は「McDermott's」2曲目は「James Gannon's」という名前でも知られています。

・The Girls of Farranfore - The Braes of Auchtertyre (Reels)

前半、後半のステージで弾いたセット。

どちらの曲もシュリーヴルークラ出身の大御所フィドラー「パディー・クローナン(Paddy Cronin)」の演奏からチョイスです。

「The Braes of Auchtertyre」はコーマックのCDにも収められています。

・Lucy Campbell's - Jenny's Welcome to Charlie (Reels)

前半ステージの最後に弾いたセット。

どちらもセッションで登場する機会の多い定番曲です。

・The Basket of Turf - The Hags at the Churn (Jigs)

後半のステージで弾いたセット。

マーティン・ヘイズとP.Joeヘイズの「The Shores of Lough Graney」というアルバムに収められいるセットをそのまま拝借。

・The Porthole of the Kelp - The Maids of the Mitchelstown (Reels)

後半のステージで弾いたセット。

これも同じく「The Shores of the Lough Graney」からのチョイス。

・Paddy Fahey's - Paddy Kelly's Four Part (Reels)

コーマックと2人で弾いたときに弾いたセットです。

曲はコーマックのチョイスです。

Paddy Kelly's Four Partは単に「Paddy Kelly's」とも呼ばれています。

・The Bucks of Oranmore - The Foxhunter's (Reels)

前半、後半それぞれのステージの最後の最後にコーマック、マイキー、私の3人で弾いたセットです。(後半のステージではアンコールでもう1セット弾いています)

コーマック・ベグリーのステージ
コーマック・ベグリーのステージ

コーマックの演奏を生で聞くのは今回が初めてでしたが、まるで楽器が生きているかのようなダイナミックな演奏で、とても感動しました。

バリトンコンサーティーナ
バリトンコンサーティーナに持ち替えての演奏
ミニコンサーティーナ
途中で超ミニミニコンサーティーナが登場

また今回が初競演となったマイキーとの競演もとても良かったです。

二人とも出身地が近いのできっと息の合った演奏になるだろうと思っていましたが、期待通りリアルなアイルランド南西部の演奏を聞かせてくれました。

マイキー・オシェイ&コーマック・ベグリー
マイキー(左)とコーマック(右)の熱い演奏。

私にとっては、思いがけずアイルランドを代表する演奏家と競演できてとてもよい経験となりました。ライブを企画してくれた実効委員の方々に感謝したいと思います。

ライブ会場の特設ミニマーケット。商品の大半は私がアイルランドで仕入れてきました。
ライブ会場の特設ミニマーケット。商品の大半は私がアイルランドで仕入れてきました。