アイルランド2015 ダブリン編

10月後半から4年ぶりにアイルランドに行ってきました。

約2週間の滞在で、最初の1週間を首都のダブリンで、後半の1週間を以前住んでいたフィークルで過ごしました。

エアリンガス機
アムステルダム経由でダブリンへ
エアリンガス機内販売
機内販売で噂(?)のテイトーサンドを買ってみました。
Tayto Crisp Sandwich
テイトー(アイルランドのポテチ)と食パン2枚とバターがセットになっています。
テイトーサンド
パンにバターを塗ってポテチを挟むだけなのに3.5ユーロ(460円)もするなんて・・
ポテトチップスサンドイッチ
食べた瞬間から一気にアイルランド人に戻った(?)ような気がしました・・
ルノー・トゥインゴ
空港で借りた2週間の旅の友となる「ルノー・トゥインゴ」。
Cultúrlann na hÉireann
着いた日の翌日からカウンティー・ダブリンのモンクスタウンに1週間滞在しました。
コールタス・キョールトリ・エーレンの本部
滞在した先はアイルランド音楽の振興団体「コールタス・キョールトリ・エーレン」の本部のある「Cultúrlann na hÉireann」という施設で、ここで一週間の合宿型の講座に参加してきました。
TTCT2015
受講した講座は「TTCT」という講座で、アイルランド伝統音楽の認定講師になるためには受講が不可欠な講座です。

今回の渡愛の一番の目的は、アイルランド伝統音楽の認定講師の資格「TTCT」を取るための講座に参加することでした。

 

私自身日本でアイルランド音楽を教えている身ですので、他国の伝統芸能を間違った形で教えてしまうことのないよう、正しい指導方法を身に付けたいと思いこの講座の受講を申し込みました。

 

誰でも受講できる講座ではなく、人に指導できるだけの演奏能力があることはもちろんですが、アイルランドの伝統芸能の指導者としてふさわしいかどうかも見極められます。

 

講座受講を申し込んだ後にオーディションがあり、その結果を踏まえて合宿講座に参加可能かどうかが決まります。

 

オーディションは6月にあり、審査員はフィドル奏者としても有名なオシーン・マクディアマダでした。

 

8月にアイルランド音楽家協会本部より面接の結果が送られてきて、晴れて講座の受講を認められました。

timetable TTCT
連日朝から夕方までびっちりと授業がありけっこう大変でした・・

講座は机上の勉強だけでなく、実際に子供たちに伝統音楽を指導する「教育実習」もあって、かなり実践的な内容の濃いコースでした。

 

私は子供の指導の経験がほとんどなく、英語での指導する経験もなかったのでかなり不安でしたが、音楽に国境はないとはよく言ったもので言葉は通じなくても以外と何とかなるものでした。

「教育実習」では日替わりで色々なレベルの子供たちを指導します。
「教育実習」では日替わりで色々なレベルの子供たちを指導します。

講座では自分が専門とする楽器以外の指導法も学ぶことが義務付けられていて、今回の合宿ではバンジョー、マンドリン、ティンホイッスル、フルート、コンサーティーナの指導法も学んできました。

 

アイルランドの音楽ではフィドルの先生がコンサーティーナを教えたり、コンサーティーナの先生がティンホイッスルを教えたりと、異なる楽器間で教えることはごく当たり前に行われています。

バンジョーとマンドリンのレクチャーを担当のブライアン・フィッツジェラルド。オールアイルランドフラーで優勝した経験のあるバンジョー奏者で本人もこの講座を受講したことがあるそうです。
バンジョーとマンドリンのレクチャーを担当のブライアン・フィッツジェラルド。オールアイルランドフラーで優勝した経験のあるバンジョー奏者で本人もこの講座を受講したことがあるそうです。
コンサーティーナのレクチャーでは演奏の指導法だけでなく、楽器の整備の仕方も習いました。子供がいたずらして楽器をおかしくしてしまった場合でも対処できるよう簡単な整備法は身につけておくようにとのことでした。
コンサーティーナのレクチャーでは演奏の指導法だけでなく、楽器の整備の仕方も習いました。子供がいたずらして楽器をおかしくしてしまった場合でも対処できるよう簡単な整備法は身につけておくようにとのことでした。
フィドルのレクチャーはキャサリン・ネスビット(左)とパディ・ライアン(右)が担当。キャサリン・ネスビットはリバーダンスの専属フィドル奏者で、ケルティックウーマンのメンバーでもある「マレード・ネスビット」のお母さん。
フィドルのレクチャーはキャサリン・ネスビット(左)とパディ・ライアン(右)が担当。キャサリン・ネスビットはリバーダンスの専属フィドル奏者で、ケルティックウーマンのメンバーでもある「マレード・ネスビット」のお母さん。
アイルランド人の受講者も頭を悩ませる「モード(旋法)」のレクチャー。
アイルランド人の受講者も頭を悩ませる「モード(旋法)」のレクチャー。
「モード」のレクチャーの担当はオシン・マクディアルマダ(オシーン・マクディアマダ)。一昨年「テーダ」の公演で来日したフィドル奏者です。
「モード」のレクチャーの担当はオシン・マクディアルマダ(オシーン・マクディアマダ)。一昨年「テーダ」の公演で来日したフィドル奏者です。
スローエアのレクチャーでは、外国人(non-Irish native)としてこの音楽に挑むにはどのようにしたらよいかや、スローエアを子供にintroduceしていくにはどのようにしたらよいかなどについてのアドバイスがありとてもためになりました。
スローエアのレクチャーでは、外国人(non-Irish native)としてこの音楽に挑むにはどのようにしたらよいかや、スローエアを子供にintroduceしていくにはどのようにしたらよいかなどについてのアドバイスがありとてもためになりました。
楽器の演奏とは直接関係のないレクチャーもいくつかあり、このチャイルドプロテクションはアイルランドで講師になる際にはとても重要なサブジェクトのひとつなのだそうです。
楽器の演奏とは直接関係のないレクチャーもいくつかあり、このチャイルドプロテクションはアイルランドで講師になる際にはとても重要なサブジェクトのひとつなのだそうです。
障害を持つ子供に伝統音楽を教えるためのレクチャーもありました。
障害を持つ子供に伝統音楽を教えるためのレクチャーもありました。
授業が終わると毎晩受講生によるセッションが始まります。皆公認講師を目指すとあってかなりレベルが高いです。一番右のコンサーティーナの女性は「ロシーン・ブロードリック」というCDもリリースしているそこそこよく知られたコンサーティーナ奏者で、その右の Kerrie Herrityは写真ではバンジョーを弾いていますが、ハープとフィドルとバンジョーとマンドリンでオールアイルランドフラーで優勝した経験を持つマルチプレーヤーです。
授業が終わると毎晩受講生によるセッションが始まります。皆公認講師を目指すとあってかなりレベルが高いです。一番右のコンサーティーナの女性は「ロシーン・ブロードリック」というCDもリリースしているそこそこよく知られたコンサーティーナ奏者で、その右の Kerrie Herrityは写真ではバンジョーを弾いていますが、ハープとフィドルとバンジョーとマンドリンでオールアイルランドフラーで優勝した経験を持つマルチプレーヤーです。
受講生セッションの模様。左から3人目のレベッカ・マッカーシーはオールアイルランドフラーの18歳以下部門の勝者です。その右のルシア・マクパートリンは今年(2015年)のフラーのフィドルスローエア部門の優勝者。
受講生セッションの模様。左から3人目のレベッカ・マッカーシーはオールアイルランドフラーの18歳以下部門の勝者です。その右のルシア・マクパートリンは今年(2015年)のフラーのフィドルスローエア部門の優勝者。

受講生はアイルランドは北はドネゴールから南はコーク、北アイルランドからも参加者があり、他にイギリス、アメリカからの参加者も居ました。

皆一週間同じところで寝泊りして、三食共ににするので次第に仲間意識が芽生えてきます。

食事は朝は毎朝「フルアイリッシュブレックファスト」でした・・。6日間連続だとさすがに飽きてきました・・
食事は朝は毎朝「フルアイリッシュブレックファスト」でした・・。6日間連続だとさすがに飽きてきました・・
昼食と夕食も所謂"アイリッシュ"な食事で、慣れていない日本人には堪えるかもしれません・・
昼食と夕食も所謂"アイリッシュ"な食事で、慣れていない日本人には堪えるかもしれません・・

ちなみにこの講座を主催している「コールタス・キョールトリ・エーレン」はアイルランド音楽の世界的な振興団体で世界中に支部を持っています。

日本にも支部があります。

コールタス・キョールトリー・エーレン(Comhaltas Ceoltoiri Eireann)の支部のある国々
コールタス・キョールトリー・エーレン(Comhaltas Ceoltoiri Eireann)の支部のある国々

コールタスが発足したのは1951年で、以後半世紀以上に渡って世界中でアイルランドの伝統芸能であるアイルランド伝統音楽の普及と保存、奏者の育成に力を注いでいます。

本部はダブリン州のモンクスタウンにあり、本部にはお店やパブが併設されていてコールタスで発行している楽譜やCDを買うことができます。パブではセッションも定期的に行われています。

コールタス本部のショップで売られているCD。なかにはここでしか手に入らないものもあるので、アイルランド音楽好きにとってはmust go的な所のひとつになっています。
コールタス本部のショップで売られているCD。なかにはここでしか手に入らないものもあるので、アイルランド音楽好きにとってはmust go的な所のひとつになっています。

一週間の講座の最終日はパーティーがあり講師陣、受講生互いに一週間の疲れを労いました。

一週間色々なレクチャーでお世話になった講師陣の方々
一週間色々なレクチャーでお世話になった講師陣の方々
美人揃いな女性受講生たち
美人揃いな女性受講生たち

講座終了後にぜひ日本でのアイルランド音楽の普及に役立つようにと、色々なものを手渡されてしまいました。その一つがこの「TRAD IS FAB」という教材で本国アイルランドでは小学校などで伝統音楽を教える際に使われているとのことです。

小さい子供やアイルランドの分化を何も知らない外国人に教えるときに役立ちそうな教材キットです。
小さい子供やアイルランドの分化を何も知らない外国人に教えるときに役立ちそうな教材キットです。

今回のこの講座を受講したことによって即認定講師になれるわけではないのですが、自分にとってはとてもためになるレクチャーが多く、特に日本人がこの音楽を弾けるようにするには何をすればいいかということについて多くのアイデアを得ることが出来たと思います。

 

この講座で得た知識を今後の自分のレッスンに活かしたいければと思います。

 

正式な認定講師の資格を得るにはコースの最終日に受けた筆記試験に合格していないといけないのですが、結果が分かるのは年明けだそうで正式なアイルランド音楽講師と名乗れるまでにはもうちょっと時間がかかりそうです。

コースの最終日には筆記試験が合格すれば晴れて正式なアイルランド音楽の認定講師となることができます。結果が出るのはクリスマス以降になるそうです。
コースの最終日には筆記試験が合格すれば晴れて正式なアイルランド音楽の認定講師となることができます。結果が出るのはクリスマス以降になるそうです。